都内最大83万人の人口を擁する世田谷区もバスに乗り遅れた区の一つだ。区の幹部は「やらないのではなく、やれないのだ」と強調する。「区が選別・保管施設を作ろうとしても、区内の大半は住宅地で不可能。23区内の民間業者を回ったが、受け入れ先は見つからなかった。受け入れ可能な千葉県の施設は、運搬費が高くつき無理と判断したのです」この問題を検討した区の審議会は、2006年12月にこの問題で結論を出しているが、リサイクルしない理由をこう語っている。「容器包装廃棄物の取り扱いについては、第一に生産者である事業者による発生抑制が重要であると考える。それでもなお発生するものについては、区民・事業者のそれぞれが主体的に再生利用の取り組みを進めることが重要であり、行政による分別収集を安易に拡大することは、回収にかかる経費や、排出者責任の空洞化につながる恐れがあると考える」事業者が全部収集し、引き取ってくれるまでは、区は何もすべきではないと言うのだ。もともと23区のプラスチックごみは、〈不燃ごみ〉扱いされてきたが、東京湾にある埋め立て処分場の延命のため、都は2004年に、プラスチックごみを「埋め立て不適物」に変更、受け入れないことを決めた。ところが、23区の動きは鈍く、困った都から相談を受けた環境省は05年5月、廃棄物処理法の基本方針に、プラスチックごみは発生抑制やマテリアルリサイクルを優先し、それでも残ったものは埋め立てず、焼却して発電に利用することを明記し、全国の自治体に通知した。