私がファッションに魅せられた頃のお話をしましょう。私は十二、三歳の頃から色にとても興味がありました。機絞り機をわざわざスウェーデンから取り寄せたり、染色に夢中になったりしたこともあります。様々な色を使っていく面白さ!いつの間にか、私の中で色それぞれのイメージが出来上がっていきました。ところが大人になってから、その固定されたイメージを覆すような出来事があったのです。それは、当時まだ無名だったソニア・リキエルの服との出逢いによってもたらされました。パリでも、ごくわずかな人たちしかソニアのことを知らなかった頃のことです。たまたま彼女の店を通りかかり、その小かくて何の飾りもないシンプルなショーウインドーをのぞきました。そこには黒、赤、茶、グレーと、四色ほどのまったく同じデザインのシンプルな丸襟のセーターがハンガーにかかっているだけでした。ところが、店に入りそのセーターをよくよく見てみて驚きました。すべて色合いが微妙に違うのです。