無配偶者のグループは多数の低所得者を含む。結婚の遅い人たちが増大すると同時に、生涯未婚が増え続けている。離婚を経験した母子世帯の経済力はとくに低い。求められるのは、住宅システムを市場経済の範囲内だけで運営する政策ではなく、そこで不利な位置しか得られない人たちに向けて、住まいの安定を届ける制度である。日本では住宅に関わる社会的な再分配の経験が乏しい。しかし、経済成長の減速、人口の少子・高齢化、結婚と家族の変化、労働市場の変容などが住宅システムの環境を再編するなかで、社会次元の再分配の必然性と合理性が増すと考えられる。
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社会保障の分野では介護保険が二〇〇〇年に制度化した。この制度は多くの問題点と論点をはらむ。しかし、介護保険の制度化が意味したのは、高齢者扶養の多くの部分を家族が担うという伝統をもつ日本において、環境の変化がその社会化を不可避にしているということである。