世界第二の取引規模を持つ市場

2011.08.04

ニューヨーク市場は、ロンドンに次ぐ世界第二の取引規模を持つ市場です。ニューヨーク市場の強みは、アメリカの持つ実物経済面での大きさ、国際機軸通貨ドルの母国市場であること、世界の金融に大きな影響を及ぼすアメリカ連邦準備制度(FRB)の存在、そして世界一の金融資本市場を持つことでしょう。加えて金融工学理論や情報通信技術を活用して、デリバティブ取引など新しい商品を次々と開発していく先進性がアメリカ市場の拡大を支えています。ニューヨーク市場では、○四年四月のニューヨーク連邦準備銀行の取引高調査に四二の銀行や投資銀行、保険会社が主要ディーラーとして報告を提出しました。同調査によれば、同市場の外国為替取引額は一日当たり直物・先物合計で四六一〇億ドルであり、○一年に比して八一%増加しています。○一年の調査ではドル・ユーロの取引が全体の三一%と最も多く、ドル・円の取引が二〇%とこれに次いでいます。アメリカでは、もともとニューヨークをはじめとする金融センターで営業をしている大手商業銀行(マネーセンター・バンク)が外国為替のトレーディングを重要な業務とし、マーケット・メーカーとしての役割を果たしてきました。一方、投資銀行(インベストメント・バンク)などもマネーセンター・バンクに匹敵する外国為替サービスを提供するようになり、今では、アメリカの外国為替市場のディーラーのネットワークの一部を構成しています。九〇年代、外国為替市場の用途は、金融環境の変化の中で著しく変わりました。ニューヨークでも、投資目的のための国際資本移動にかかわる取引高が飛躍的に増加しました。保険会社、年金基金、投資信託、ヘッジ・ファンドなどの機関投資家が国際分散投資に本格的に乗り出し、結果として外国為替市場で主要な地位を占めたのです。アメリカでのこれらの機関投資家の外貨建て資産は総資産の五〜一〇%程度ですが、投資信託の総資産が五兆ドル、年金基金の資産が三兆ドル近くになっており、これら資産の一部の移動でも外国為替市場には大きな影響を与えています。なおアメリカには、ニューヨークを中心とするインターバンク為替市場と並んで、シカゴの先物市場があり、同市場では商品取引市場の一環として通貨先物が活発に取引されています。