マリッジ・カウンセリングの臨床の場

2011.05.16

カウンセリングのオフィスで出会う男女の方のいろいろな話や悩みに耳を傾けていて、時々、「どうしてこのカップルは結婚したのだろうか?」「なぜこの相手を選んだのだろうか?」と思うことがあります。明らかにミス・マッチだと思えるカップルに結構多く出会うんですね。「よくまあ、そういう人と結婚しましたね!」「そういう人だと初めから分かっていて結婚したんですか?」と不躾に尋ねたりしますと、「結婚するまで、分かりませんでした」「結局、私はだまされたんです」「分かっていましたけど、その時の状況の流れで、結婚してしまったのが……」などと、主体性のない答え、他人に責任を押しつけた答えが返ってくることがあるんですから、まあ、ちょっとあきれることがありますね。もっとも、分からないでもないんです。私たち日本人は物事を曖昧に過ごしたり、自我を抑えて周囲に合わせるという生き方に日ごろから馴れているわけですから。それにしても、人生においてのかなり大事な出来事である結婚の相手を決めるのに、こんな主体性を欠いた決め方をするというのはどういうことなのでしょうか。このように、マリッジ・カウンセリングの臨床の場で、つねづねおかしなカップルたちに出会っているものですから、つい職業病にとりつかれたような質問を、これから結婚しようとする男女に投げかけたくなってしまうというわけです。「君、そんな結婚で、ほんとに大丈夫なんですか?」って。実は、こんな質問を、婚前カウンセリングや婚前講座にやってこられる男女に、私は最近よくします。お節介だと分かっていながら、どうしてもしたくなる衝動に駆られてしまうんです。こういう失敬な質問に対する反応は、大体二通りに分かれます。一つは、ムッとして、〈そんなこと余計なお世話だ〉と言わんばかりに不機嫌になる反応です。でも、人間というものは、痛いところを突かれると、防衛的になり、反発することがよくありますから、不機嫌になる人の中には、結構自分でも腹の中では〈こんな結婚で大丈夫かな?〉とか、〈この相手でほんとにいいのかな?〉などと思っている場合があるんじゃないでしょうか。
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